みんなの住まい

専門家が教える! 引っ越し時に気をつけたい挨拶のマナーとは?

まもなく引っ越しシーズンの到来です。転勤や進学、新居の購入など理由はさまざまですが、引っ越す際に気になるのがご近所への挨拶。
新しい生活を始めるにあたって挨拶をしておけば、何かあった際に相談しやすくなります。また、引っ越し当日は荷物の搬入で建物の通路を塞いだり、作業時に騒音を立てたりと住民に迷惑をかけてしまいがち。新しい生活を気持ちよく始めるためにも、最初の挨拶は肝心です。

でも、「どんなタイミングでしたらいいの?」「何を持っていったらいいの?」など挨拶の仕方がよくわからないという人もいるのではないでしょうか。そこでマナーの専門家である正門律子さんに、引っ越し時に知っておきたい挨拶のマナーについて教えてもらいました。

お話を伺った人 正門律子さん
クレース・プランナーズ 代表取締役
全日本空輸株式会社にて国内線・国際線客室乗務員、ヒルトン名古屋株式会社にてコンシェルジュを経験した後、2003年に総合マナー研修会社『クレース・プランナーズ』を設立。人間力向上に関する研修の開発・監修をするとともに、自らも官公庁・市町村・学校・民間企業にて人材育成セミナーや講演を行う。



挨拶の適切なタイミングは?

挨拶といっても、どのタイミングで伺うのがよいのでしょうか。

「引っ越しの挨拶のベストなタイミングは、引っ越しの約1ヵ月前から前日までです。引っ越し当日は本人も慌ただしくしていますので、前日までには済ませておくのが良いでしょう。その際『◯日に引っ越しをいたします』と引っ越し日時を伝えておくと、近所の人も予定を立てやすいのでおすすめです」と正門さんは教えてくれました。

また引っ越しの挨拶でよくあるのは、近所の人が留守にしているということ。引っ越し日ギリギリに挨拶に伺ったものの、留守にしていて結局引っ越し当日までご挨拶ができなかった……とならないよう、早めから行動しておきましょう。しかし、それでも挨拶できなかった場合は、どうすればいいのでしょうか。

「相手が不在でどうしても引っ越し前に挨拶ができなかった場合は、引っ越し後すみやかに挨拶するようにします。遅くても1週間以内には済ませるようにしましょう」

さらに気になる点としては、挨拶に伺う時間帯ではないでしょうか。正門先生によれば、基本的には明るいうちに済ませるのがマナーだといいます。しかし、忙しい人が多い現代では日中にタイミングが合わないことも。

「中には共働きで日中は不在にしていたり、お出かけをしていて留守だったりすることもあると思います。その時は遅くても19時前後までには訪問するようにします。21時以降は控えるようにしましょう。また日が暮れてから訪問する際は、必ず『夜分遅くにすみません』と一言添えるようにすると印象が良くなります」

引越準備は何かと忙しく、気持ちにも余裕がなくなってしまうかもしれないので、引っ越し先の住民への挨拶は早めに済ませておくと安心です。

マンションはどこまで挨拶するべき?

マンションならではの悩みが、どこまで挨拶するべきかという問題(パークホームズ吉祥寺北グランヴィラ ヴィラエントランス完成予想CG)

一戸建てなら昔から「向こう三軒両隣」という言葉があるように、なんとなく挨拶するべき範囲がわかりますが、マンションのような集合住宅の場合はどこまで挨拶するべきなのでしょうか。

「単身やご夫婦だけという場合は、両隣と上の階、下の階の人だけで大丈夫です。ただ小さな子どもがいる場合は、廊下を走り回ったりして迷惑をかけてしまう可能性があるため、同じ階の人にはなるべく挨拶しておくのが理想的です。近くに住む人が子どもの顔を覚えてくれることは、防犯上でも安心です」

挨拶の際に伝えておくべきこととしては、どういったものがあるのでしょうか。

「大事なのが、挨拶をする際に『子どもが来年から1年生になる』、『仕事が不規則で朝晩に出かけることがある』、『日中は不在にしていることが多い』などある程度の生活パターンを伝えておくこと。そうすることで、相手も『うちも子どもがいて……』などと教えてくれるので、近隣住民の生活パターンを知れるきっかけにもなります。挨拶をする人というのは、"これから迷惑をかけてしまうかもしれない人"。挨拶をしておくだけで、多少うるさくても『あそこは小さい子どもがいるから仕方ないね』などと理解してくれるものです。少しでも迷惑をかけてしまいそうだなと感じる人には挨拶をしておけば安心ですね」

挨拶に伺う時は、誰が行くべきなのかも気になりますよね。

「挨拶をする際は、家族全員で訪問するようにしましょう。引っ越しの挨拶では、『これからよろしくお願いします』と気持ちを伝えることも大切ですが、家族の顔を覚えてもらうこともとても重要です。どうしても都合が合わず、家族全員で行けない場合は、後日お会いした際に全員で挨拶するようにします」

近くに住んでいても、生活リズムが違えばなかなか顔を合わせないもの。引っ越しの挨拶時にしっかり顔を覚えてもらうことが大切です。

手土産に最適なものは、お菓子や消耗品

引っ越しの挨拶時に必要不可欠なのが手土産です。ですが、まだ顔も見たことのない人に何を渡せばいいのか、悩みますよね。

「手土産で多いのは、お菓子や洗剤、入浴剤などの日用品。中でもお菓子は誰にでも喜ばれますし、他の人に配ることもできるためおすすめです。もしお菓子にするのであれば、昔からの定番ものや誰もが知っている人気のものにすると良いでしょう。食品の場合は賞味期限にも注意して、1週間から1ヵ月くらい日持ちするものが好ましいです。値段は大体500~1,000円程度でOK。相手に気を遣わせないよう、高価なものは贈らないようにするのがマナーです」

また、手土産には必ず熨斗(のし)をつけることが大事だと正門先生は言います。挨拶をする際には『隣に引っ越してきた◯◯です』などと名乗りますが、相手にとっては突然の訪問だったり緊張していたりして名前を忘れてしまうこともありますよね。そのため訪問先で情報を共有してもらえるように、手土産には名字を記載した熨斗をつけることがポイントなんだそうです。最近ではセキュリティの観点から表札をつけない住宅も多く見られます。そのため、"引っ越しの挨拶=名前の周知"という認識でいることが大切だとのことです。

住民同士がつながる「あいさつ会」を開催する物件も

マンションによっては入居時に住民同士が触れ合えるイベントを行う物件もあるのだとか。例えば三井不動産レジデンシャルの物件では、住民同士のつながりを育むだけでなく、お得なサービスの紹介など、暮らしに役立つ情報が得られる「Residential Greeting」を開催しています。

パークホームズ稲毛小仲台(分譲済み)で開催された、居住者を対象としたあいさつ会「Residential Greeting」の様子

このような取り組みが行われている物件なら、引っ越しの挨拶ができるタイミングが設けられるだけでなく、気軽に住民と交流でき、自然とコミュニティがつくられていくので、より暮らしやすくなりそうですね。

ポイントを押さえて、快適に暮らそう!

ご近所付き合いを円満に行うには、最初が肝心です。お互いが顔見知りなら、日頃の交流はもちろん、災害などの緊急時に助け合うこともできるかもしれません。今回ご紹介したポイントを押さえて、しっかりと引っ越しの挨拶をすることが、より快適な暮らしへの第一歩になります。新居への転居を機に、ぜひ実行してみてください。

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