みんなの住まい

It’s Tasting 〜丸山珈琲の丸山健太郎が見立てる、この夏飲みたい3つのコーヒー〜

おうちでコーヒーを淹れたときの、部屋いっぱいに広がるあの香り。一口飲むと、独特の苦みに癒されて、くつろぎの時間をより豊かなものにしてくれますよね。今回は、世界各国からコーヒー豆の買い付けをされている丸山健太郎さんから、おうちで楽しむコーヒー豆の選びかた、保存方法、おいしく淹れるコツ、フードとの組み合わせについてお話をお聞きしました。

まずはスペシャルティコーヒーを

スペシャルティコーヒーとは、簡単に言うと「飲んでおいしいコーヒー」のことです。もう少し丁寧に説明すると“生産されている地域、農園、生産処理などの特性が味の中に反映されている美味しいコーヒー”のことを差します。けれどなかなかスペシャルティコーヒーに出会うことは難しい……。そこで、まずは“スペシャルティコーヒー取り扱い”というお店を探し、お店の人と仲良くなってみることをおすすめします。独自のこだわりや哲学を、お店の人に聞いてみましょう。

初めは話しかけることに躊躇してしまうかもしれませんが、一歩踏み出してみればきっと素敵なコーヒーに出会えますよ。

お気に入りの一品を見つけましょう

私たちにとって身近なコーヒーも、こだわればどんどん興味が湧いてきます。たとえば、同じ豆を使っていても、焙煎方法で味が変わるってご存知でしたか? コーヒーの味の違いは“豆の銘柄の違いだけ”と思われている方も多いようですが、実は焙煎の方法でその味わいは大きく変わるのです。深く焙煎をすると苦味が増し、浅く焙煎をすると酸味が強くなります。そのため、銘柄が同じでも味が同じとは限りません。

お店によって同じ豆でも焙煎方法が異なれば、自然と味わいも変わってきます。難しく考えず、まずは色々な豆を少しずつ買って、飲み比べをしてみましょう。そして自分好みのコーヒーを見つけたらリピートをして、お店の方に詳しくナビゲートしてもらうことで徐々に自分のものにしていく……その感覚が楽しくなるはずです。

丸山さんおすすめのコーヒー豆3選

左から、ケニャ・ガチャタ/グアテマラ・サン・ラファエル・ウリアス/オリジナルブレンド

ごくごくアイスコーヒーで飲むならこれ!グアテマラ・サン・ラファエル・ウリアス

これからの季節におすすめなのがグアテマラのコーヒー。深煎りしたときにチョコレートのような香りと味がでてきて、バランスが良く爽やかな味わいのコーヒーになります。アイスにするとさらに魅力が引き立つので、ぜひ冷やして飲んでみてください。

こだわり派のかたにおすすめ!ケニア・ガチャタ

ケニアの肥沃な土壌で生産された高品質のコーヒーです。熟したフルーツの香りと、赤ワインやビターキャラメルの複雑な味わいを楽しめる1品。甘く滑らかでジューシーで奥行きのある味わいのこちらは、欧米でとてもよく好まれています。

ふだん使いできるブレンドを見つけよう

先にあげた2つの豆のように、一つの産地から採れた単品のコーヒー豆を「ストレート」と呼ぶのに対し、複数の産地の豆を配合したものを「ブレンド」と言います。異なる特徴を持つ豆を混ぜ合わせることで、それぞれの魅力をさらに引き出し、より深い味わいを生み出します。自分のお気に入りのブレンドを探してみるのも楽しいですよ。

今の時期、私の店では深煎りにしたエルサルバドル産を多めに、グアテマラ産やコスタリカ産、ブルンディ産をブレンドしたものを扱っています。深めに焙煎することで、酸味が少なく、苦味とコクを醸し出します。日本人がおいしいコーヒーと聞いてイメージするもの、多くの方に飲みやすいと言われるようにブレンドしました。

おうちコーヒーのおいしいコツ

豆を買うときのポイントと美味しさを保つ保存方法

コーヒー豆は空気に触れると酸化してしまいます。きちんと鮮度の保たれたものを買いましょう。

購入後はしっかり密封し、温度管理をすることで酸化のスピードを抑えられます。豆・粉どちらの状態でも冷凍庫で保存すれば約3ヶ月。豆の状態ならは常温だと3週間が賞味期限ですが、粉の状態では20分ほどで酸化してしまうので要注意! 使う分だけ出すことをおすすめします。一度にたくさん買わず、少しずつ買って飲みきることがおいしさの秘訣です。

プロが教える!ドリップコーヒーのおいしいポイント

お手持ちのドリッパーで、早速ドリップコーヒーを作ってみましょう。お湯の温度、蒸らす時間など細かなポイントを実践するだけで、いつものコーヒーがワンランクアップ!

■準備するもの

【道具】
・ドリッパー
・ポット(細口で注ぎやすいもの)
・サーバー
・スプーン(十分長さのあるもの)
・はかり(コーヒー粉の量をはかるため)

【材料】
・中挽きのコーヒー粉:約16g(2杯分)
・お湯(ミネラルウォーターなら軟水がおすすめ)
 …浅煎り、中煎りの豆:沸騰したてのお湯/深煎り:91度のお湯

■下準備のひと手間

コーヒーの温度を保つために、あらかじめカップにお湯を入れて温めておきましょう。

■淹れ方のコツ

1)粉全体を膨らませるために、粉と同じ重量(約おおさじ1杯)のお湯を注ぎましょう。その際、フィルターに直接お湯がかからないようにしてください。注いだら30〜40秒間蒸らします。しっかり蒸らして粉を膨らませることで、コーヒーの成分を抽出しやすくなります。


2)蒸らし終わったら、残りのお湯を注ぎ、2分30秒かけて抽出します。


3)サーバーに書かれている目盛りにしたがって、必要な分量のお湯を注ぎます。目盛りに達したらフィルターをサーバーから外してください。


■注ぐ前のひと手間

家族みんなで同じ味を楽しむために、出来上がったコーヒーは、カップに注ぐ前に一度スプーンでかき混ぜてください。そうすることですべてのカップに同じ濃度のコーヒーが注げます!


番外編 フレンチプレスで淹れるときのポイント

紅茶でおなじみのフレンチプレスは、実はコーヒーを淹れるアイテムだということ、ご存知でしたか? 使い方はとても簡単です。まず、中挽きの豆とタイマーを用意してください。フレンチプレスにコーヒー粉を入れたら、同じ重量で90度以上のお湯を注ぎ、タイマーをセット。30秒かけて蒸らしたあとに残りのお湯をすべて注ぎ、3分30秒待ちます。

こうすることで、豆が蒸らされ美味しく淹れられますよ!

ペアリングのすすめ

意外なものがベストマッチ!

ペアリングとは、コーヒーとフードの組み合わせのこと。コーヒーと合わせるものといえば、甘いお菓子をイメージする方が多いかもしれません。けれども既成概念を外すと、意外にも相性抜群の組み合わせがあります。

たとえば、
・マンデリンなどのスパイシーなコーヒーと、カレーパン
・ブラジルやグアテマラなどの穀物の香りがするコーヒーと、お蕎麦
・エチオピアやケニアなどの華やかなコーヒーと、シャンパンストロベリーチョコレート
・ブラジルやエチオピアのナチュラル精製のコーヒーと、あんぱんやお焼き

また、柑橘系のケーキに合わせるなら、柑橘系の酸味のきいたコスタリカなどのコーヒーがベストマッチ。

コーヒーを一口飲み、ケーキを食べて、もう一度コーヒーをすすると、その美味しさをより楽しめます。

この週末は、昼間からお気に入りのコーヒーと食べ物を持ち寄って、お友達や家族とペアリングを楽しんでみるのはいかがでしょうか?

丸山健太郎(まるやまけんたろう)

株式会社丸山珈琲 代表取締役社長

1968年埼玉県生まれ、神奈川県育ち。
1991に軽井沢にて丸山珈琲創業。コーヒーの買い付けのために生産地訪問と現地でのカッピング(テイスティング)等の活動で年間150日近くを海外で過ごす。

カップ・オブ・エクセレンス国際審査員

日本スペシャルティコーヒー協会 副会長


取材協力

[丸山珈琲]

http://www.maruyamacoffee.com/

撮影協力

新田 理恵(tabel)

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