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「固定」or「変動」あなたはどっち? プロに聞く! タイプ別金利の選び方

マイホームを購入する際、多くの方が利用する住宅ローン。ローンを組む際、悩むポイントの一つとして「金利プラン」があるのではないでしょうか。住宅ローンには「固定金利」と「変動金利」の二つのタイプがあります。いろいろな商品がある中でも、まずはどちらの金利にするか選ばなくてはなりません。住宅ローンを組むならどちらのタイプが自分にはよいのか、それぞれの違いや特徴について、ファイナンシャルプランナーの石井 健蔵さんに伺ってみました!

石井 健蔵さん プロフィール
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
米国公認会計士(デラウェア州)、住宅販売士補、生命保険協会認定FP(TLC)、東京大学工学部 都市工会監事。
大手銀行銀行員、外資系保険会社を経て、独立。現在、「株式会社 グッドウイン」にてライフプランのコンサルティングを様々な角度から提案している。NPO法人渋谷川ルネッサンス事務局長として「春の小川」再生にも取組むなど、幅広く活躍中。


住宅ローンの金利タイプについて

━━住宅ローンの金利には、「全期間固定金利」と「変動金利」があるそうですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

まず「全期間固定金利」は、借りた時点から返済終了まで金利が変わらない、一般的に「固定(型)金利」と言われるタイプです。
次に「変動金利」はその名の通り、金利が一定期間で見直され、変動していくタイプ。金融機関の金利は社会の経済状況に応じて変動し、普通は景気が良くなると利率は高く、景気が悪くなると利率は低くなります。
さらに、「固定期間選択」タイプもあります。こちらは、3年固定、5年固定、10年固定など、期間を限定して金利を固定する場合が多く、固定期間が終了したら改めて変動金利か固定金利かを選択することができるタイプです。このタイプも、期間に応じて金利が変わっていくので、「変動型金利」の仲間と言えるでしょう。
ライフスタイルや価値観によって、人それぞれ合うタイプが異なります。では、どのような方がそれぞれのタイプに合うのか、実際に固定型と変動型の特長をみてみましょう。自分のライフプランにはどの返済方法が合うのか、想像してみてくださいね。

固定型金利について

━━まず固定型金利のメリットや注意点について教えてください。

固定金利のメリットと言えば、完済まで金利が変動しないため、借入れ時に返済期間全体の計画が確定できる点でしょう。返済までの収支がおおよそ確定できれば、その後の人生設計がしやすくなります。

一方、固定型金利は最初に設定した金利は変えられないので、長い目で見て、もし今後景気が悪くなって利率が低くなったとしても、その恩恵を受けることができません。30年ローンの場合を考えても、20年、30年後の金利がどうなっているか、わかりませんよね。これが注意点と言えます。

━━では固定型金利はどのような人に向いているのでしょうか?

子どもがまだ小さく、教育費が今後いくらかかるか想定できない場合は、毎月のローンの支出が計算しやすく安定的な固定型が良いと思います。返済の見通しを立てやすい固定型金利だと、家計のコントロールもしやすくなります。また、早い時期に一部繰り上げ返済をすれば、固定型のメリットはより大きくなります。早めに多く返済すれば、その後の月々の返済額を減額することも可能なのです。たとえば、共働きのご家庭なら、夫婦のボーナスの一部を繰り上げ返済に回す、というのもひとつのパターン。住宅金融支援機構の「フラット35」は一部繰り上げ返済の手数料が無料なので、繰り上げ返済をする予定の人は検討してみてもいいかもしれません。

変動型金利について

━━変動型金利のメリットや注意点はどのようなものでしょうか?

固定期間選択型を含め変動型は、金利が固定型より低めに設定されています。加えて、不況になると利率が低くなるため、その場合は支払う利息が少なくなるのもメリットといえます。将来、利率が下がれば、結果的に固定型より総支払額を抑えられることになります。

一方、経済動向により利率が見直されるため、国の景気が良くなると金利も高くなっていきます。景気に応じて、世帯の収入が上がれば良いのですが、そうでない場合は支払いが厳しくなります。それが変動型金利の注意点です。

住宅ローンの利率は、株式市場のように毎日変動するわけでなく、6カ月ごとに見直されます。ただし6カ月ごとに適用金利は変わっても、返済額は5年間据え置かれます。また返済額が見直された場合も、その上限は、見直し前の1.25倍までと定めている金融機関が多いので、月々の支払いが一気に多くなることはありません。とはいえ、適用金利が上昇しても返済額が5年間変わらないのは、つまり元金が減っていないということなので、注意が必要です。

━━変動型はどのような方に向いているのでしょうか?

変動型は金利が低いときは大きなメリットを享受できるので、共働きで数年ごとに繰り上げ返済をして早めに返済したい人や、返済期間の短い人が選ぶといいでしょう。また、経済の動向や金利の変化をこまめにチェックするのが苦にならない人にも向いています。そういう人は、変動型を選び、借り換えなどを随時検討して、最も有利な金融機関での借入れ方法を常に活用するのがいいでしょう。

━━住宅ローンを組むにあたって、その他の注意点はありますか?

金利タイプの選択と同時に大切なのが、「元利均等返済」か「元金均等返済」かという返済方法の違いを理解することです。住宅ローンで一般的なのは、元利均等返済で、返済額(元金+利息)が一定なので、返済計画が立てやすいです。ただし返済当初はどうしても返済額に占める利息の割合が高くなるので、借入金残高の減り方が遅くなります。一方の元金均等返済は、元金の返済額が一定で、その上に利息が乗ってきます。ですので返済開始当初の返済額が最も大きくなりますが、支払いが進むにつれ、徐々に月々の返済額は減っていき、結果的に総支払額は元利均等返済よりも少なくなります。住宅ローンを組む際は、金利と返済方法との組み合わせがポイントです。

━━住宅ローンを考えるうえで最も大切なことはなんでしょう?

様々な種類がある住宅ローンですが、金利のタイプや返済方法との組み合わせで月々の支払額が変わり、選べるライフスタイルも変わります。たとえば、「固定型で元金均等」にして、借入れ時からがんばって高額返済し、早いうちに繰り上げ返済をする。そうすることで、子育てが終わった後の負担を軽くして、50代から老後の貯蓄をする期間をつくることができます。あるいは、「固定型で元利均等」にして、返済当初の負担を軽くし、返済期間が長くなっても返済額を一定にして、無理なく安定的な生活をするというのも考えられますね。ご家庭によって考え方が違うと思いますので、まず先にどんなライフスタイルを望むかを考えましょう。新居購入を機にどんな生活を送っていきたいか家族で話し合い、将来設計をしっかり立ててから、納得できる住宅ローンを選んでください。

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