みんなの住まい

頭金、月々の返済額、残しておくべきお金。マイホーム購入前に知っておきたい“世帯別”マネーテクニック

人生における大きな買い物、マイホーム購入。心が高鳴るイベントですが、「どれくらいのお金がかかるのか」「家計にどれほどの負担がかかるのか」など、お金について気になるところですよね。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの榎本充さんにお話をお伺いし、新築マンション購入経験者約600人を対象に行ったアンケート結果をもとに、購入前に覚えておきたい「マネーテクニック」をご紹介します。

榎本 充さん プロフィール
アクサ生命保険株式会社 中京中央FA支社
ファイナンシャルプラン アドバイザー
お客様との信頼関係を大切に、“お金に関するかかりつけ医”として、ライフプランに合わせた適切なアドバイスを行う。前職では住宅販売営業を経験。ファイナンシャルプランナーのほか、住宅ローンアドバイザーや宅地建物取引士の資格も所有。


住宅ローン、みんなどんな返済計画にしているの?

20 代~30 代の返済平均額は 7~10 万円。“夫婦のみ”世帯は 10 万~15 万も

実際のところ、マンション購入者は住宅ローンに月々どれほどの金額を充てているのでしょうか?世帯構成別の返済額についてアンケート結果を見てみましょう。

【データ解説】

単身:1人暮らしや実家暮らしなど比較的お金に余裕があるため、「7~10万円」に設定する人が多い。
年収も増えてきた30代では、結婚も視野に入れて貯蓄も確保しながら、可能な範囲で返済するという傾向が見受けられます。


夫婦のみ:他の世帯と比較して「10万~15万円」に設定する割合が高い。
共働きをしている世帯もあり、2つの収入源があることから返済額を多めに設定しているケースが考えられます。ただ、単身や子どもありと同様に「7万~10万円」に設定する割合が最も高く、将来の出産・育児を見据えて無理のない返済額に設定していると導き出せます。


子どもあり:子育ての負担にならないよう、「7~10万円」に設定していると考えられる。
次いで「7万円未満」が多いことから、今後必要となる教育費・進学費用などの教育費を想定し、無理のない返済額に設定する傾向にあると言えます。

返済金額はどのように設定したら良いの?

長期にわたる住宅ローン。設定額によって生活に大きく影響する可能性もある物だけに、しっかりと考えておきたいものです。では、返済金額はどのように設定したらよいのでしょうか?

「家族構成や世帯収入によって、適切な返済金額は変わってきます。一般的に”収入の20~25%”が返済金額の目安として挙げられますが、これはあくまでも目安のひとつ。人生においてお金がかかるイベントは住宅購入だけでなく、セカンドライフに備える老後資金や、人によっては子どもの教育資金が必要となるため、住宅の支払いだけを考えてローンを組むのは危険です。

そこで重要な指標になるのが、『今後どのような人生を送るか=ライフプラン』です。結婚するのかしないのか、子どもはほしいか、もしくは何人くらいを希望するかなど、理想とする人生をイメージすることで、今後必要となる総費用を把握することができます。おおまかでもよいので、まずは将来の設計図をつくったうえで、購入する物件、そして返済金額を設定してみましょう」(榎本さん、以下同)

「頭金」は世帯構成によって重要度に差があり

単身、子どもあり共に 500 万円~1000 万円未満、共働きで収入の多い“夫婦のみ”は1000 万円~全額未満が最も高い割合。

【データ解説】

単身:他の世帯と比べ、「全額キャッシュ」の割合が高いのが特徴。
しっかりと貯蓄したうえで住宅購入に臨んでいると考えられます。また、単身女性は両親・祖父母からの支援を受けるケースや、無駄づかいを抑え貯蓄できる「堅実性」と、ライフプランに応じて住宅購入に踏み切れる「決断力」を持ち併せているため、「全額キャッシュ」が可能であると考えられます。


夫婦のみ:共働きの場合「夫婦ペアローン」を利用することで、最大限の住宅ローン控除が受けることを期待してか、「全額ローン」を選択する割合が他世帯と比べ最も多いのが特徴です。共働きができることから総世帯収入が高く、毎月の返済金額を多めに設定できる点も背景にあると思います。


子どもあり:「500~1,000万円未満」「1,000万円以上」がほぼ同割合、また「1,000万円以上~全額未満」の割合の高さがこの世帯の特徴。
教育費など今後の懸念材料はありますが、両親・祖父母世代から資金援助が受けやすい世代であることが、比較的多めに頭金を準備できる要因として考えられます。

頭金はどれくらい準備しておけば良いの?

頭金の額は、購入資金計画を検討するための第一歩。全額ローンで購入するという選択肢もありますが、一般的に頭金はどのくらい準備しておけば良いのでしょうか。

「『物件金額のおよそ20%』は頭金として用意しておきたいところですが、貯蓄がないという方もいるかと思います。これから住宅購入に向けて貯蓄を始めるのもひとつの手段ですが、現在の低金利時代では貯蓄している間に金利が上がってしまう可能性もあるので、早めにローンを組んでしまうことも一策です。
データを見ると、夫婦のみの世帯では、共働きを想定して頭金に頼らずローン重視で購入するケースが目立ちます。体力がある若いうちに貯蓄を増やし、繰り上げ返済に充てることは効率的な方法ですが、長きにわたってコンスタントに働ける保障はありません。全世帯に共通することですが、万が一のアクシデント、そして住宅購入以外のイベントに備えて、しっかり貯蓄することをおすすめします」(同)

マイホーム購入で終わりじゃない! 手元にキープしておきたい金額

全世帯平均的に 100 万円未満~300 万円までが半数を占める。

【データ解説】

単身:ライフイベントへの備えとしてか、300万円~600万円を手元に残す割合が高い。
特に女性の場合は、できるだけ多くの金額を手元に残す傾向にあります。


夫婦のみ:共働きによる収入面の優位性か「1,000万円以上」の割合が他の世帯より多いのが特徴。
一方で、子どもあり世帯と同じく「100万円未満」の割合も多いことがわかります。


子どもあり:「100万円未満」と「100~200万円未満」でほぼ半数を占めており、手元に残すよりも毎月のローン返済や頭金に充てる傾向にある。
一方で、300万円~600万円の割合が他と比べて最も低いのは、子どもの養育費など現状必要不可欠な出費があるためと考えられます。

住宅購入時に手元にはどれくらいのお金を残しておけば良いの?

住まいは、購入したら終わりではありません。住宅ローンを返済しながらも、毎日の生活は続きます。万が一のことなども考え、住まいの購入時にはどれくらいのお金を手元に残すべきなのでしょうか。

「住宅購入後の生活費や不意の出費に備えるための予備費として、『生活費の6ヵ月分』は手元に残しておきたいところです。それだけでは不安に感じる方は、ファイナンシャルプランナーに相談するのもよいでしょう。今後キャリアアップに伴い変化する収入の推移や子どもの成長段階に応じた出費の増減などをもとに、ローン返済と日々の生活を両立させるマネープランづくりをサポートしてくれますよ。」(同)

住宅購入のように、人生における一大イベントを前にすると、ついつい、面倒なお金の計算から目を背けたくなるもの。
一度しっかりとライフプランを考えることで、無理せずお金をやりくりしていけることに気づくことができます。夢のマイホーム購入を実現するため、今回ご紹介したポイントを、ぜひ参考にしてみてくださいね。